雑踏

朝のしんとした中にいる 誰に呼ばれることもない けれどメッセージが立て続けに来た 呼んでいるのかただ投げ返されているのか 中井久夫の本に対話はミラーリングとあった 鏡となること 昨日行ったギャラリーの人はとてもふわふわしていた 綿菓子みたいに つられてこちらもふわふわする これがミラーリングということか 流動的なものとなる わたし わざわざ外まで出て見送ってくれた イロとカタチの記された栞を一枚だけ買っただけの紙袋は開けてみたらお菓子やらカイロやら 昨日はそんなに寒くなかった 片方のヒールの先が取れてしまい靴修理に向かう 日曜の夕方 渋谷は相変わらず賑わっていたけれど居心地は悪くない 西武百貨店タワーレコードも昔と変わらずにあることに安心する 雑踏の中にいる自分も歳をとっただけ 渋谷以外の何者でもない 街に浸る