piano diary

どこまで行っても辿り着けない

辿り着かない

だいぶ遠くまで来てしまったようだけど

まだ向こう側もあるようで、果てしない

歩みの数だけ遠のいたと思ったら

すぐ傍にいたり

手の中にいたり

掴もうとすればひらひらと

蝶のように飛び去る

木々は騒めき、葉は擦れ

いつかの声になる

だいぶ遠く、今より遠く

海は変わらず満ちていても

眠り続け目覚めなかった今

昇る陽が体をすり抜けて

落ちる日がまた直射する

歓喜と犠牲

深い眠りに包まれた

夜までの時間

あなたに会うまでの

 

 

Piano Diary [FLAU93]