歌舞伎町

たぶん数人しか読んでない文章を書く。明日の天気はたくさんの人が気にするが私のことなど誰も気にしない。痛快だ。嫌な気分でいると嫌なものもよく目に入る。通りの隅を走るネズミ、赤いゴキブリ。歓楽街にお似合いな。汚いものでドロドロになるのもそれはそれで快感なのかもしれない。でも私は年をとった。喧騒は横目で眺めるくらいでいい。

ちっとも感じないことに不感症になったのかと思う。少しも入り込めない。だいたい店自体が気に食わなかった。機械仕掛けみたいな喋り方の店員。ここになにが落ちてるというのか。プラスチックみたいな店。体が絡まってるのを見てもなんとも思わない。なにも感じない。イライラしてくる。疲れて眠くなる。お昼に鰻を食べて〆のお茶漬けはいまいちだった。ご飯がおいしくないし、お腹が膨れてしまった。

一緒に行った女性は大体満足したようだった。私は気持ちよくなれてないのに。一体何がしたいのだろうか。私の体はきれいじゃないのか。Tさんならたくさん褒めてくれるのに。苦い後味。感触の記憶。どうでもいいことだった。必要のないこと。