9月

雨。体が鉛のように重い。違う本を少しずつ読む。映画を観に行く意思は消えた。四冊読んだところで電話。陶芸教室の先生。最後の作品を受け取りに行くのを忘れていた。いつも忘れる。雨雲を確認して重苦しく外へ出る。ひんやりした空気が気持ちいい。でも体も頭も重たい。最後の長細いお皿には滲んだ黒い円。
いやなオーラの時はよくひとにぶつかりそうになる。仁王立ちする馬鹿なジジイ。傘を抱えて歩く。雨粒の冷たい感覚がいやな気持ちを忘れさせてくれる。誰もいない道を踏みしめる。ふと向こうから車の音。頭の中で衝突する。