収縮

伸びるというのは健やかで窓辺に置いた豆苗がそれぞれ高さもばらばらに伸びているのを見ると生きている感じがする。周りのドライフラワーやガラス器やヘンテコな自作の陶器たちもそれにつられて生きているような感じがする。それはおそらく大きな窓から朝の柔らかい光が差し込むからで色も自ずと現れてくる。もう既に朝の仄暗さはなくほとんど全てが明るみに出ようとしている。

昨日の朝は曇っていた。明るみに出る前の仄暗さが残っていた。それは突然ふってくるように思い立つ。生成りの薄がけと黒い布を持ってきて結局黒にした。影であるのか光であるのか、どちらでもないのか。影に溶け込むようでもあり影から浮かび上がるようでもある。黒い布を被せたソファーの上で丸くなってみる。限られた面積の中で全身を写そうと思ったら縮こまるしかない。胸の下や腹が折りたたまれ腕も脚も折られ背骨は浮き上がる。収縮するとは何かを包み込むことでもある。拒否しながら欲している。包み込まれたものが背中や肩で光っている。