2021-01-01から1年間の記事一覧

tetzbo

逆上がりってなんでできないといけなかったんだろ。親と公園で練習までして。鉄棒に、ただぶら下がってれば、戯れていればいいんじゃないか。別に回らなくたって。それが技術というものだから、算数みたいにできなきゃいけなかったのかな。たとえば鉄棒でく…

the winter solstice

solstice (太陽の)至(し)、最高点、極点 今年の冬至は22日。去年は21日だった。自分が冬至生まれだと確か去年思ったのだった。一年で一番昼が短く、夜が長い。それまで単にクリスマスに近くてちょっと損だけど楽しい誕生日ぐらいにしか思ってなかった。…

happiness

知らない街へ行く。前を人が歩いている。まわりは暗い。暗くて明るい。Googleマップを表示する、画面はひどく明るい。似つかわしくないと思い入り口のメニューをぺらぺら捲っただけで川の方に目をやる。そっちのほうが面白そうだ。 高架下、夜の川。光だけ反…

娼婦と12月

意味のないセックスがあるとするなら? 昔はこれでお金もらってたのにとか考えてしまう。 娼婦っていい響きだ。笑婦でもいい。腰からお尻を撫でていたら感じてくれたのでずっと触っていた。ちゃんとコトが済まないと不安になる。 ニンフという言葉も好き。人…

胎内時計

時は刻まれる 胎内のそのうちで カーブしか無いその中で 水の音を聴いている 聴こえない音を 見えないものを ゆらぐゆらぐ 壁の光を指差す 私はあなたと 触れ合っている 目眩のする螺旋階段 落ちて水底 みなそこに 集う輩が一斉に見上げる 北極星 冷酷も慈悲…

酔郷譚

お酒を飲めない、ほとんど飲めない、弱い、飲まない人が多い。昨夜酔郷へ行ってきて雨降りしきる帰り道街灯がアスファルトの水溜まりを照らす光さえもまだこちらの世界に戻ってきてはいないようで。こんな体験がお酒なしにできるだろうかと考える。催眠術に…

無題

このところ暴食してしまっているから 夜を早めてさっさと17時くらいから 食べてしまいさっさと歯磨きもして その後ゆっくり夜の時間を過ごす ことにする体重計に乗ってしまったら ぴったり53キロであすけんをまた 再開しようかとも思うが単に夜に 食べなけれ…

hypnotic

触れられる。手と手、唇と唇。目と目。ぶつかり合うことなくそっと包まれる。穏やかな人。神秘的と言われる。ふと、この前ホテルの待合室でキスをしたのが印象的で。そんな残されている印象を口にする人は珍しい。 見られる。飯沢さんのポートフォリオレビュ…

北へ

飛行船の目指す方角は 北へ 白い林檎をかじったら 北へ 円い目をした門番をくぐり抜けたら 北へ 暑くて窓を開ける 曇った息が飛び去る 北へ もう見る必要はないのだから 重なる手は冷たく温かく こぼれ落ちる水は掴めず みぞおちまで埋まってしまった 喧騒は…

やさしい女

小学校の時◯◯さんはほんとにやさしいと言われて意味がわからなかった。私はやさしい?やさしいって何だろう。プロフィールに人からやさしいとよく言われますとかやさしさには自信ありますとかも意味がわからない。そういう人は信用ならない。ろくでもない人…

I GOT UP AT 11 A.M.

起きてスマホを見たら11時でびっくりする。思い出す。よろめきながら帰宅して歯磨きも、顔も洗わずそのままベッドに潜り込んだ。3時過ぎに目が覚めて寝る支度してまた寝たんだった。幸いそんなに気持ち悪くはない。たっぷり水を飲んだせいか。 昨夜のひとは…

川越

写真屋の現像待ち。フイルム1本、その中に何があるか。 ここのところ日替りでひとに会っている。それぞれの印象が混じりあってしまう。全く違う人たちだけれど自分はひとりしかいない。いろいろなものを食べてもう何を食べればいいのか分からなくなる。何を…

ところが私は何も覚えていない

帰り際さりげなく手を握ってくれた。営業の一部かもしれないけどちょっと温かい気持ちになる。知らぬ間にお酒も入ってしまって電車の中で舟を漕ぎながらなんとか乗り過ごさずに帰宅する。金曜の夜。 あまり人の顔を見れない。向かい合うことは特別に思える。…

絵画

開いた口から声が出る 音のない 重なった手が擦り合わされる 闇の中で 蹴り上げた馬 並んだ木々 止まった海 か細い線描の裏に滴る血溜まり そこかしこに穴 失われた汗 開かれた口に手を入れた 戻っておいで 手を引く母子 振り返り見上げた 聖母の目 声なし声…

月夜

ビルの一階で落ちる滝。月の絵を見て夜の降りてきた東京駅でちょうどよく欠けた月が出ていた。バスに飛び乗り虎ノ門へ。バスはたまにしか乗らないからワクワクする。夜の車窓。ビルに入れば白けたように明るい。下に水が溜まってるようだけど、どういう仕組…

はじまりの夜

楽しいことがたくさんある。おいしいものがたくさん食べれて、いろんな人と話ができる。写真も撮ってもらった。美術展で本物を見た。本を読んで異空に潜り込んで、口には甘いものを運ぶ。夜のお店で口にいれたもの。口と口を合わせて真っ暗な空洞が繋がる。…

ストロベリーショートケーキ #2

名画座手帳というのを買ってしまった。持ち歩かない、机の上に置いてあるだけだからとにかく書き込みやすければいいのだけど、その日の生没者やら作品名やらで既に圧迫されている。こないだイトウヤに行った時手帳のコーナーを見たけど、まだ早いかと思って…

memento mori

グラスグラスグラス 透明透明透明 くすんだ枯れた花たちの花束に アルコールが沁みていく 掴んだら粉々になってしまうでしょう 並んだ瓶も全部割れて 死を忘れるなというバーでカカオのカクテルを飲む ポートワインの赤が燻んでる 死を忘れるな、と言うには…

ひとり

私はひとりになりたい わたしは二人になりたい 夜の帳が下りるなか どなたの声も聞きたくない ドアからドアへ行けるなら あなたのもとへ行きたいけれど 夜のしじまを聴いていたい お酒とともに! 氷が鳴れば あなたの合図 私の心が鳴った合図 同時に、シンク…

天使の落下

天使の落下 生まれ落ちてから落下し続ける イメージの深淵へ 立ち上る煙幕の向こう 見開き閉じられた目で 触れようとする泉 歩かないで 走らないで 落下の速度は計り知れない 落下するものたちが見える 絶望した人たち 還っていく あの場所へ 水底の瞳 ヴェ…

mysterious

誤解されやすい。そんなつもりで言ったんじゃないのに。あなたの言っていることがわからない。わかり合うのはそんなに難しいことなんだろうか。所詮他人だから。ミステリアス。わざわざ謎を作ってるわけじゃない。 一緒に深い時間を過ごしませんか? 指先の…

shibuya

まだ空の焼けたあと、日暮れ時。Tと45階の屋上に上がる。真っ黒いエレベーターに乗って、浮遊感に微かな目眩を覚えながら。どこでもない。ここは確かに東京で、渋谷だけれど、こんなにきらきらしているものが、現実とは思えない。暗闇が深いほど輝くような。…

F

朝からなぜか頭の中で、流れ出す。 飲ませてください もう少し 今夜は帰らない 帰りたくない 日曜の晴れ渡った朝だというのに、どういうわけか。理由などなくていいけど、お酒を飲み過ぎている。 フィルムを一本現像に出して、地下のスーパーに行けば、ウイ…

何を体が欲しているのか

レシートを見て確認する また6杯 銀座の夜は心地いい 5杯で調和、6杯で破綻 階段の上で振り返る 変な格好だったかしら 酔っ払いだと思われたかしら カウンターのいつもの端っこ 引き戸の向こうの厨房では どんな秘密が行われてるのか ひょっと白服の男が氷を…

one day

記事を書く、のボタンを押す。白紙の中に惑う時間。些事より印象だけ残したいと思うけれど些事の中に大事があるかもしれない。 コンビニでワインのボトルの中からラベルの気に入ったイタリアのサンジョヴェーゼを買う。この前のお店で飲んだのと同じ。偶然か…

afterward

ベッドの向かい、テレビの前に置かれた黒い箱の花。枯れることのない、半永久的に保たれた色とりどりの花。黒い箱も真っ黒な髪留めもリーデルのワイングラスも蜂蜜の空瓶も棺のよう。隣には昔Amazonのウィッシュリストに冗談で載せておいて贈られてきた鹿の…

Journals

マーク・マンダース。机の下に堆積した砂場にあるような砂の塊は変容した身体のようにも溶けた時間のようにも見える。ひび割れた粘土のように見えるブロンズ。凍結し、置かれ、沈んでいる。固定するロープは縛りつけているのに自由を思う。88%の椅子。圧縮、…

おいしいもの

見知らぬ人と会ってみる。そんなことは無限にしてきた。それでも何か新鮮だ。新鮮さ。毎日ひとに会っているひとはそんな新鮮さも薄れるんだろうか。人間に飽きるということは起きるんだろうか。毎夜男を受け入れている女は不感症になるのだろうか。 暑い。ウ…

現想と幻実

アーシュラ・K・ル=グウィンの「現想と幻実」。原題は「THE UNREAL AND THE REAL」。なんだか混乱する。現想篇まで読み終わる。 金曜日。朝から決めていた。五反田へ行って、銀座へ行って。もう予約済み。これ以上我慢してたら体に悪い。朝食をヨーグルトと…

睡眠不足

朝4時半に目が覚める。いや3時半だったか。まだ真っ暗。もっと寝ていたいのに。入院前も早朝に目が覚めていたがこんな夜中に目が覚めることはなかった。歯のゴムかけが圧迫になっているのか、よくわからない。少なくとも家ではゆっくり寝たい。 どこにも出か…