Journals

マーク・マンダース。机の下に堆積した砂場にあるような砂の塊は変容した身体のようにも溶けた時間のようにも見える。ひび割れた粘土のように見えるブロンズ。凍結し、置かれ、沈んでいる。固定するロープは縛りつけているのに自由を思う。88%の椅子。圧縮、分断された顔は静謐と実存、果てしないその人の時間を思う。

journal。日々を記すという、記録したいという欲求は抑えがたい。絶え間ない時間の流れに逆らって、留めたいもの。箱をとっておく。紙袋をとっておく。紙を捨てられない。ベーコンは美食家でレシートが残されたりしている。ヨーゼフ・ボイスの展示では様々な「何かの」紙がそのまま利用されていた。レディメイド。何かに使われた、薄らいだ文字。時間が、記憶が擦れる音。

実家のファイルから出てきた文字も消えてしまってなんだかわからない映画の半券。昔から紙が捨てられなかったようだ。そこに行った、それを見た、生きた、という証。

河原温の誰も入れない部屋で描かれたデイトペインティング、送られた電報、葉書に強烈な重みを感じ磁石のように惹かれる。

I AM STILL ALIVE

 

MOTコレクション | 展覧会 | 東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO

 

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