ナダ

画面に映った顔は変わってないようでやっぱりどこか変わっている。確実に。老けたのはそりゃ年取ったもの。でも整っているようにも見える。ウェブカメラなんて、というかPCに内蔵のものだけど、いつ以来に使っただろう。誰も話し相手もいないような時、チャットにはまって裸を見せたり、ウェブ配信までしてる時もあった。20代から30代。まだ写真を始める前段階。結局自分を見ていた。気を引くためのものが自分の持って生まれた体に意識がいくようになった。肉体表現として、何かを掴んだのかもしれない。ウェブカメラの前の自分は、久しぶりにPCの画面に映る自分は以前よりも自由にみえる。座るのに飽きるとふらふらと歩いたり踊ってみたりする。とても自由。誰かが覗いては去っていく。何らかの、繋がりであることは昔と変わらない。でも今は自由。誰かのことを考えながらマスターベーションすることだってできる。

画面に映る自分を見ながらするのはとても興奮する。見られている、ということもあるけれど、それをまた見ている。見られている自分を見ている。私の体はきれい。エロティック。扇情的なポーズもとってみる。そういえば夢はストリップダンサーとか冗談半分で呟いたりしたんだった。この部屋の箱の中でならそんなこともできるかも。変わってない、と言われてしまうかもしれない。そうね、変わってない。時間の流れの中にいる。言ってみれば人生の。風景が通り過ぎる。

ナダによるナダのための

いつか燃え尽きてふっと終わる。