現想と幻実

アーシュラ・K・ル=グウィンの「現想と幻実」。原題は「THE UNREAL AND THE REAL」。なんだか混乱する。現想篇まで読み終わる。

金曜日。朝から決めていた。五反田へ行って、銀座へ行って。もう予約済み。これ以上我慢してたら体に悪い。朝食をヨーグルトとオールブランだけにして、支度して化粧して。鏡を見てもなんだかイマイチ。化粧失敗したのかな。今が明る過ぎるだけで、薄暗い中では綺麗に見えるだろうか。確信が持てない。黒のプリーツの入ってサテンのリボンを結ぶワンピース。胸元は大きくV字にあいている。秋だと言うのにまだ暑い。それでもガーターに黒のストッキングを履く。これに9センチのピンヒール。もう体力は戻ってる。

昼食。豚肉の生姜焼き、人参とルッコラ、卵かけご飯に釜揚げしらす。なんだかしっかり目になってしまったけど、スタミナつけなくては。体力勝負、の予定がスマホに思いがけない文章。赤坂?ほとんど行ったことない。五反田と天秤にかけて、結局赤坂を選ぶ。お店はいつでも行ける。個人的なお誘いの方が重大。

足を舐めてもらうのがなんでこんなに好きになったのか、よくわからない。自分の足が好きだし、ナルシスティックに鏡に映して眺めたり、写真を撮ったりする。以前は這いつくばって舐めるのを上から見て興奮していた。Sの感情。今でもそういうところはあるのかもしれないけど、ただ舐めてもらうのが純粋にうれしい。ひとつの、満たされる手段として。

性感帯とか、中だとかクリだとかそんなものはどうでもいい。ただ全身味わい尽くされれば。それでも入れて欲しくなる。

よくわからないと苦笑い。そりゃあ簡単にわかる人間じゃない。ミステリアスなんて言われるのも悪くない。結果的に、満たされている。どうやら向こうも満たされている。悪くない。地下鉄の駅の入り口まで見慣れない赤坂の街を眺めながら、ふらふらと歩く。金曜の18時過ぎ、もうグラスを持った人で賑わっている。隣には相手がいる。手を繋ぐことはないけれど、このお店はとか言葉を交わしながら。

人間なんてたくさんいる。通じ合うことだって稀ではない。

セックスの後はお腹が空く。心ゆくまで満たされて

酔い酔い心地で帰途につく