やさしい女

小学校の時◯◯さんはほんとにやさしいと言われて意味がわからなかった。私はやさしい?やさしいって何だろう。プロフィールに人からやさしいとよく言われますとかやさしさには自信ありますとかも意味がわからない。そういう人は信用ならない。ろくでもない人ばっかり。みんな嘘ばっかり。私はやさしくない。と言って痛み

ブレッソンの「やさしい女」と万田邦敏の「愛のまなざしを」を見た。たぶん愛についての映画。どちらも最期の笑みが魅力的だった。笑って死んで。この世になんの未練もなく。愛って苦しみなんだろうか。このままでいられたらいいのに。長いさよなら。

日差しが眩しい。映画館の暗がり。もうそこにリズムがある。洞窟で奏でられる音楽のような、滴る水音のような。シートに身を埋める。ひとつの棺桶。流れる映像は走馬燈。美しい女優。響く靴音。そこにいるだけでいい。見ながらでもセックスのことを考える。暗がりで、頭の中で自慰をする。

なんでか知らないけど1時間間違えて早く着いてしまった。バスに間に合うように猛スピードで仕度して。すぐには理解できない。おかしな話。