ストロベリーショートケーキ #2

名画座手帳というのを買ってしまった。持ち歩かない、机の上に置いてあるだけだからとにかく書き込みやすければいいのだけど、その日の生没者やら作品名やらで既に圧迫されている。こないだイトウヤに行った時手帳のコーナーを見たけど、まだ早いかと思って買わなかったのだった。額装をオーダーしていたのを受け取る。村上早「群がる鳥」。

銅板に痛み分けをしてもらいながら、わたしは今生きている

イチゴショートに群がる鳥はカラスだろうか。イチゴは心臓。赤。赤い額縁で気に入ったのを選んだ。少し古びた感じの。マットはベーシックな白っぽいのの予定がふと出てきたスウェード調の黒っぽいのの陰影に目を奪われ。やっぱり重たいか。見慣れてくると、まあいいのかな。寒い間は。

イチゴの赤にカラスの黒。単純すぎる。でも沁みてくる。色のないこの傷跡めいた銅版画の中に、赤も、くもった黒もあるようで。

最初一階に飾るが重たくて二階に移動する。長く見つめていたいけど。外から帰ってきてベッドのある部屋で近づいて見てみたら、迎えてくれた。

傷を負いながら。生理も近い。お店で未遂までいったけど、何週間もしてないな。奥のほうまで入ってきてくれないと、心臓まで届かない。

見つめると甘い

ショートケーキの記憶