何を恥じることがあるのか
しかし恥じるのだ
雨に打たれ、熱いシャワーを浴びる時も
天雷の鳴り響く夜に
照らし出される顔のように
青白く、こめかみは脈打ち
こぶしを握った手の開く時
薔薇の匂いが通り過ぎて
血が伝ったような気がした
噛み締めた塩気の
海に歩み出そうとする人
恥じるべきだ
赤葡萄酒に溺れつつ握った手を離そうとしない
グラスに見入り反対側からの景色を
見ようともしない
ただ雨音を聞き自ら倒れ伏しながら
耳を貸そうともその胸を開こうともせず
縫われた皮膚のように引き攣り
地面に点描している
恥じるべき慰めもて塞いだ穴という穴を
一条の光と、声で