体を触る。触れられればいいのに。あなたの手で。刻一刻と変わっていく体を、たどっていく。乳房は、なんと柔らかいことだろう。何のために。ふくらみのやさしさ。女同士が口づけを交わす。唇が辿ったかもしれない、稜線を。眠りの中に忘れてしまった、あなたの胸の中の記憶と温もり。冷たい床の上に足を投げ出す。少し持ち上げた膝小僧の、まるい形。触れられればいい。唇と、舌で。前触れのような眠気と倦怠。鏡の中の、顔をなくした女。