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七宝焼の小さなカップウイスキーを注いで飲む。無音に浸る。酔いだけ廻る。宇宙のような星降る器。ストレートはさすがに酔う。通りの車の音。お酒を飲む時は何もしないのが気持ちいい。と言ってこんなのを書いている。昨日会った人からラインが来る。Nにメールした、返事はまだ来ない。

テルマ&ルイーズ」という映画があった。女二人の逃避行。最後車でダイブしちゃうやつ。途中、バーで片方がマルガリータを、片方がジャックダニエルを浴びるほど飲む。それを見てからバーではとりあえずマルガリータを、家で飲むウイスキーは基本ジャックダニエルになった。しかし、ラストで号泣したウィンターボトムの「バタフライキス」といい、最近の「燃ゆる女の肖像」や「アンモナイトの目覚め」といい、女同士の物語に惹かれる部分があるんだろうか。「キャロル」は新宿の映画館で真っ赤なワンピースを着ていって見た。横に女同士の二人が座っていた。

キスぐらいならしたことあるけど、恋愛までになったことはない。そこまで求められたことはないし、求めたこともない。じゃれあいのような。女の繊細に紡がれた糸のような、もの同士の絡まりは魅力的。火のような、月のような。乳房に触れる、それは我が身にもあるものだけれど。

今日になって喪失感が湧き起こる。まだ会える気がしている。でも本当に会えなかったらどうしよう。本当に

無音の中で体に触れる。もうしばらく触れられていない体。少なくとも深部には。昨日別れ際、手を握った手は冷んやりしていた。

あなたは私の奥深く触れた。その感触が消えることはあるのだろうか

柔らかな、体に潜り込んでみたい。

同じ女性の。