寓話

二人は愛し合っていた。片方が死に片方が生き残った。彼/彼女は生き続けた。彼/彼女は何度も思い起こされた。しかしその頻度は減っていった。色はだんだん褪せていった。最後の葉が一枚落ちるように記憶は途切れた。消えたのではなく意味をなさない。落ちた葉は川面に流された。幾度となく夢に見たあの人は消えていった。