宝石

晦日。いつもなら紅白歌合戦でも見てるところが何だかしんみりしている。音楽もいつの間にか止んで本棚から思い出すように取り出した分厚くて飛び切り美しい本を読んでいたりする。お蕎麦は昼に食べたから適当につまみと日本酒を燗にして誕生日に従兄弟のお嫁さんからもらった徳利とお猪口で呑む。多分、Tさんも呑んでいるだろう。今頃。

初めて会ったのは3月だった。今の仕事を始めたのも3月だからちょっと複雑というのか混線する。たくさんの同じ時間。

二人で過ごした時間はどれも宝石のように輝いてる

そんなロマンチックな言葉が送られてきても、思い起こすのは体と体がくっつき合って交わって溶けたこと。そのぼうっとなる頭の中にいくつもの言葉が散りばめられている。言葉によっても繋がっている。確かな感触。

今でも不思議な出会い。あまりに伝わり合うからかえって不安にもなる。

見つめられるほどに

眩しくて見えなくても触れてみることはできる。味わってその味を覚えておく。

去年の今頃を読み返したら忘れかけていた人のことを書いていた。プレゼントまであげて。

今はこの人の中で輝いていたい。他の誰でもなく