火の玉

水底に沈んだ欠片が浮かび上がるようにぼっと灯される火は

そこら辺の草を噛んだ苦い味

暖かいのに冷たくて握りしめることも叶わない

投げ捨てた鏡の欠片が時折鋭く光るたび

一条の線が刻まれて心臓は傷だらけになった風に

見えましただから今でも心をしんとしてみれば

真っ赤に燃える火の玉が見えます