Fantasia in C minor

ようやく生理も終わる。昨日遊びに行こうかなと思ったけどトイレで少量どろっと出てきてああ無理かと。代わりに銀座に飲みに行った。Tさんはいろんなバーを知っていて連れて行ってくれるので、バーもいいものだなと気が向く。以前一度来て再訪したペンギンの店主は趣味人という感じで適度にいい加減なところが面白い。お会計もこれでいいのかと。その後シノワへ。この前デザートだけ食べてやっぱりこの店はゆっくりと飲むのがいいと思ったので。おばさま方のグループがはしゃいでいていつもと少し雰囲気が違ったがカウンターはいつも通りあやしげ。このあやしげさが渋谷店にはないところ。だんだん銀座というものが分かってくる。意味もなく着た黒のビンテージのベルベットドレス。そんなものも許容してくれる。モンラッシュ、スペインのガルナッチャ、コートロティ、デザートワインでシャトークーテ。後でレシートを見たらワインがいつもよりかなり高め。でも合計は想定内で計算してるのかどうなのか。料理は旬の白アスパラガス、野ウサギとフォアグラ、日向夏のデザート。団体さんの相手をしててほっとかれたりしたけれどほとんど完璧。もう記憶がないくらい。酔ったからというわけではなく、調和していた。服装を見ていいワインを選んだのだろうか。とにかくあのソムリエさんに任せておいて間違いはない。そして今回もまた扉の向こうから氷らしきものを取りにシェフがちらっと覗かせる。声も聞いたことがない。音や匂いがするわけでもない。不思議なあちらとこちら。

満たされ帰宅する。帰りの駅でヒールが折れてしまったけど。どこで折れたんだろう。歩けないわけではなくふにゃりとする。その感覚さえ冷静に受け止められる。食欲、ワイン欲が満たされたから性欲も落ち着いたような。こっちから縋りつくのは嫌われそうだから、そのうち会えるだろうぐらいに思ってればいいのか。

モーツァルト、幻想曲ハ短調。最近は毎朝モーツァルトピアノ曲を聴く。フラットな気持ちで一音一音に耳を澄ます。それができるのは整っているとき