おじさん

おじさんは足を骨折してリハビリ中で引きずりながら歩いている。それでも歩くのが速くてゆっくりと思うと遅れをとる。飲みに行きたいと言うから3回来てくれたら行ってもいいと言ったらほんとに3連続で来た。連続で来るとは思わなかった。上野に〇〇っていうおいしい焼肉屋があるからと。大きな焼肉屋。空は怪しい雲。窓際の席で早々に雨が降り出す。酔ってくるとますます言葉は汚くなるし下ネタは出るし、窓の外の人通りを眺める。肉の脂が重たくなってくる。休日でさすがに賑わっているけど、特別おいしくもない。気分の問題だろうか。写真を撮りまくるおじさん。

サンシャイン水族館に行きてえんだよなあ。テレビで見てよ。ラッコだかなんだかが上をまわって...以前テレビで見て行きたくなったらしい。行かねえか?と言われても。たぶんおじさんは写メを撮りまくり私はそれを温かい目で見守ることが予想される。水族館は好きだけど。生き物が好きらしい。昔熱帯魚飼ってたとか。

帰りお腹の辺りが痛くなりせっかくの焼肉でこんなことになるなんて。電車で座れたら落ち着いたが頭はグロッキー。せっかくの焼肉が。電車の中では滅多に足を組まないけど空いてきたところで足を組む。やけっぱちな気分でスマホをいじる。電車で足組んでぶらぶらさせてる人は問答無用で嫌悪する。優雅でいたい。私の足はきれいだもの。シャツワンピースの裾が捲れている。

おじさんのクンニリングスはとても気持ちいい。とてもじっくり舐めてくれる。自分でも舌が気持ちいいのだと言う。そんなのは初めて聞いた。気持ちいいところに当たって腰が動き始めると我慢できなくなる。イッてるのかよくわからないけど何度もそんな状態になる。いつまで舐めているのか、終わるとお尻がひんやりして、下は大きなシミになっている。

Siri!ロックをかけて。静まりかえった部屋は耐えられない。懐かしい、ブラーのsong2がかかって気分も上がる。ロックはいいな。ふとおじさんの背中を思い出す。毎回背中を流してくれと頼まれる。他の人も背中はいつも流してるけどおじさんの背中は一味違う。なんでこんなに大きく広く見えるんだろう。こういうのが肉体労働してきた人の背中なんだろうか。海みたいに。洗いながら感心してしまう。いい背中ですねと言ったら嬉しがっていた。なんだか写真に撮りたくなる。

デートはうーんと思ってしまうけど。また通ってくれたら考えようか