a piece of cake

混じり合っているように思える。全く別個の物体なのに。体なのか心なのか、どこかの一部になっている。苦痛でも快楽でもなく、ただ不可思議。ただそこにいるのに隣にいないのが不思議、といつか送られてきたように。何枚か数えもしなかったプリントたちを、前日にTさんから言われた流れの話など思い出し、二枚を並べ替えただけなのにがらっと違って見える。一つのまとまりとして。離れた場所からじっと見ていると、確かな塊としてそこにある。

セルフと他のがあっても違和感がない

そう、確かにそう、違和感ない。まとまって見える

熱心に見ていた男性と一緒に思考し同意する。隣の部屋では真逆な「目がチカチカするでしょ」な写真展で、巡った人たちが面白がっていたり。

最初は何を言ってるのかわからない。批判されてるのかと思った。自分の中で批判と批評が混ざっていたのだった。Tさんが選んだのは人気のない静物写真二枚、蔵前の古い建物に自転車のある角の写真、神保町のビル入り口のちょっと不思議なタテの写真。セルフは買わないのか聞いたら、いつも見てるからと。それもそうだ。

展示が終わったら酔い潰れてぶっ倒れてる。小さな思いつきが思わぬ大きなカタチになった。三日間だけの。

 

「戦争と戦争が、戦争しているんだからね」

   平出隆『鳥を探しに』 073

 

私とTさんみたいに国境もなにもなければ平和。